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【番外編】Aviation Week誌によるJoby記事

  • Yas Kohaya
  • Jan 1, 2021
  • 16 min read

2020年秋、航空業界で最も影響力のあるAviation Week誌がJobyが開発するeVTOLを取り上げたので、ここにて日訳版を紹介する。

(翻訳協力:JPLinguist Translation



記者:ガイ・ノリス(ロサンゼルス)


カリフォルニアの午後の暑さのなか人里離れた谷間には息をのむ静けさが広がっている。ジョビー・アビエーションの開発チームは、太陽がギラギラと照りつける真っ白な機体の電気飛行機の飛行準備をしている。

今まで人目にも触れず漏れ伝わることもなかったジョビーの電動垂直離着陸機(eVTOL)プロトタイプの開発はこの6年間極秘で進められてきた。同社初の製品であるエアタクシーはカリフォルニア州中央部に位置する非公開の試験場にて飛行試験が行われている。この先駆的なデザインの飛行機が安全に飛行し、極めて静粛性が高いことを目の前で実証してくれようとしている。アビエーション・ウィークはこの飛行試験の証人となるべく招待を受け、今後の機体開発や型式認定に向けた作業内容など、ジョビーが考えるところのゲームチェンジャーとなる先進エアモビリティの実力を見せてもらう。

まずは飛行だ。ナビゲーションライトが点灯し機体がアクティブであることを示した後、機体の6台の電動推進ユニット(EPU)の上部の回転プロペラが旋回しはじめた。それとほぼ同時に機体は地上の遠隔コクピットの操縦で空中へと浮上した。比較的低い高度までは垂直に上昇し、そこから水平飛行を開始して谷を旋回した。

型式証明の名称S4と呼ばれ名前もまだないこのエアタクシーは、主翼に4つ、Vテールに2つの電動推進ユニット (EPU) を搭載しており、パイロット1名と乗客4名を乗せることができる。150海里(277.8キロメートル)までなら計器飛行ルールや目視飛行ルールに従って昼夜を問わず飛行できる。胴体長はわずか6.4メートル(21フィート)、翼幅は11.6メートル(38フィート)で、エンブラエル・フェノム100よりも61センチメートル(2フィート)小さく、目の前で飛行する小さな機体サイズにも驚かされる。


試験飛行中の機動、速度、飛行高度などの詳細については書くことはできないが、離着陸パッドから数百フィート離れた場所で飛行試験を見守っていてもアビエーション・ウィークの筆者とジョビーの社員との会話は容易にできる。始動から離陸という重要な垂直離陸の段階では、低強度かつ低周波の音を発する。ドローンや大型マルチコプターのような蜂の群れが発するような緊急性のあるハイピッチな音とはまったく性質の異なる音だ。

ホバリング時の騒音レベルは、筆者がこれまでに聞いたどのヘリコプターよりも格段に小さい。各EPUに搭載された5枚のプロペラは、騒音特性が最適化されており、分散型電気推進システムにより各ブレードにかかる負荷を減少させ負荷音の低減を実現している。また、プロペラの配置間隔を広げることでブレードに発生する空気の渦(ボーテックス)を低減する設計になっているようだ。これは、ローター機では降下時にブレードの回転で発生した空気の渦を再びプレードが通過することで発生する衝動が騒音となるためである。

エンジンやギアボックスのノイズはなく、さらにヘリコプターから発生する音波パルスのような騒音(ブレードが空気をかき回すことにより発生する厚みのある騒音)もない。数百ヤード離れた谷の上空を飛行する間、S4機から聞き取れる音を時折発するのみで、筆者の見立てでは都市環境の騒音の中では間違いなく聞き取ることは不可能だろう。それらの特徴からもジョビーが説明するようにS4機はヘリコプターの約1/100の静粛性、つまり飛行中は実質的に無音であることは確かのようだ。

「低騒音はeVTOL機が受け入れられるかが鍵となるが、それは方程式を構成する一要素でしか過ぎない」とジョビー社の創業者兼CEOでチーフエンジニアのジョーベン・ビバート氏は言う。「まず優先するのは商業航空業界並みの安全性で、その次に、離着陸場所へのアクセスが容易という利便性である。その他にも、サービス提供直後から手頃な運賃を提供し、普及すると同時に更に運賃を下げていく必要がある。」と言う。

サンタクルーズに本社を置くジョビー・アビエーション社を2009年に設立したビバート氏にとって、近距離移動航空機S4は「移動にかかる時間のうち1日1時間×10億人の人々の時間の無駄を省く」という少年の頃に抱いた夢を実現する第一歩となった。しかし、ビバート氏はまだ満足しておらず、初代「1.0」プロトタイプの初飛行から3年が経った「2.0」バージョンの飛行試験を続けている今でも「開発は緒に就いたばかりだ」と言う。

これまでのジョビーは「見せも話しもしない会社だったが、今は公開できる地点まで来ている」とエグゼクティブチェアマンのポール・シアラ氏は言う。「意図的に目立たないようにしてきた。煙は多く立つが滅多に火の気がたたない業界だったからで、ジョビーでは商用運行できる仕様が実現できるところまで開発を進めていた」。


ソーシャルメディアPinterestの共同設立者でありジョビー初の外部投資家となったシアラ氏は、ジョビーはギアシフトの段階にあると言う。「今までは開発に注力してきたが今後はさらに型式証明、製造、商用化に向けたベースを固めることに重点を置く。飛行試験と開発作業は、サンタクルーズ、サンフランシスコ・ベイエリアにあるサンカルロス、そしてカリフォルニア州マリーナにあるジョビーの新しい生産施設の3つの拠点で行っている。同社の投資家でもあるトヨタ自動車から支援を受けて「大規模生産に向けて準備を進めている」とビバート氏は語る。

型式証明が重要な現段階では、エアタクシーの運営計画については言及を控えている。アーバンエアモビリティ(都市部のエアモビリティ)を計画するウーバー社に機体と運行事業を提供する提携はしているが「他のパートナーと協力する機会もあるだろう」とシアラ氏は言う。


製造に加えてオペレーターも手掛けるという経営判断が安全戦略の重要な要素となる、とシアラ氏は語る。そもそもジョビーS4の開発は、2011年の電動VTOLコンセプトモデルのパーソナルグライダー「モナーク」から始まった。しかしその後、ジョビーは軌道修正し、主翼に12個のチルトローターと格納式プロペラを備えた2人乗りのeVTOLエアタクシー「S2」に力を注いだ。


「 S2は魅力的な飛行機ではあったが、小型ゆえに市場に影響力を及ぼすことは期待できなかった。誰でも乗車してもらえるような飛行機にしたかった。そのため積載重量、飛行速度、航続距離の高性能化を目指しより広い用途に利用できるよう様々な設計変更を行った」とシアラ氏は言う。

サブスケールS4プロトタイプは2015年以降、700回以上の飛行試験を繰り返し、2017年からはフルスケール第1世代「1.0」の遠隔操縦試験を開始した。 そして2019年にはこの高翼型で6つのプロペラで構成されたデザインを更に進化させた第2世代「2.0」の飛行試験を開始した。変更点は本体重量が2,177キログラム(4,800ポンド)に増えたことと、V型尾翼を前傾デザインにしたことだ。

ジョビーによると、これまでに2.0の遠隔飛行とパイロットによる飛行を数百回実施したという。飛行試験の一部は遠隔操縦でも可能だが、S4の型式認証では既存の航空機と同じ飛行要件を満たすためパイロットが操縦する飛行となる見込みだ。「安全性、騒音低減、手頃な価格を実現するため6機のEPU構成を採用しモータの故障時にも十分な冗長性が得られるようにした。冗長性という観点はサブシステムの設計にも同様の考え方を採用した」とシアラ氏は語る。

機体の揚力を均等に分散させるためEPUは楕円に配置されている。EPUが1台故障した場合でも制御装置によって自動的に対のプロペラの推力を減少させ、同時に他の4つのプロペラのトルクを上げることで飛行を維持できる。尾翼のEPUと主翼端に取り付けられたEPUは、垂直飛行から水平飛行に移行するため構造的には簡単な回転機構に取り付けられている一方で、主翼のインボード側(胴体に近い部分)に取り付けられた2つのモータとプロペラのユニットのみにチルト機構が備わっており、全体構造の複雑化を避ける設計となっている。

主翼外側のデュアルエルロン(二重補助翼)とV型尾翼の独立型の6つのラダーベーター(一体型方向昇降舵)で構成するなど操縦翼面でも何重もの冗長性が確保されている。また、主翼内側には2つのスロッテッド・フラップを配置する。これらの操縦翼面は各翼面の内側端に取り付けられた小型で強力なリニア電動アクチュエータで制御する。「各操縦翼面とアクチュエータはそれぞれ独立制御されており1つが故障しても他で補い、またプロペラも冗長性を考慮した」とチーフ・テストパイロットのジャスティン・ペインズ氏は言う。

5枚ブレードのプロペラは高度に統合された軽量モータで駆動するが、これもほぼ自社で設計・製造している(S4に搭載する部品のほぼすべてが内製)。「必要に迫られて」垂直統合せざるを得なかったとシアラ氏は言う。「部品を製造できるサプライヤーがなかったため、初期の設計・製造段階では時間が余分にかかり結果的にコスト増になってしまったが、仕様に合わせた最適な部品ができるようになった」とシアラ氏は強調した。


各EPUはインバータの他、電動推進モータ、可変プロペラピッチモータ、ナセルチルトモータ、冷却用モータから構成される。冷却ユニットは内蔵ラジエータから冷却液をポンプで循環させるだけでなく、ファンでモータに空気を送り込みナセルにあるノズルから排気する。EPUのコンパクトなパッケージングにより推進モータはクッキー詰合せ缶にも満たない大きさに見える。

S4の多層安全設計を象徴するように、モータも2重巻線と2重冗長インバータで構成されており、それらは4つのリチウムイオン電池パックから電力供給される構造だ。2つの電池パックは主翼内側に、残りの2つは主翼内側の固定ナセルの前方と後方に格納されている。

重心近くに配置された電池パックは熱管理や安全性、メンテナンス性を高めるため、主翼とナセルの下面に沿うように配置し、熱暴走が発生した場合にガスを逃がすよう排気口も備えている。

電池技術は、航空機の基本設計、および安全性と信頼性の考え方を大きく左右する。「リチウムイオン電池の技術は確立されてきており、新しい革新的な技術や極秘技術を採用しているわけではない」とパワートレイン・エレクトロニクス部門を率いるジョン・ワグナー氏は言う。「採用する電池セルの性能は決まっていたので、後はこれに合わせてシステムを設計した。自動車でも量産されている実績のあるセルを採用した。電池能力を基準に飛行機を設計し重量と性能目標を設定した」とワグナー氏は言う。「重要なのは電池質量の割合、つまり機体のどれぐらいを電池が占めて、他の部品はどれぐらいを占めるかだ。これらの質量目標と性能指標にあわせてそれ以外の部品を調整していった」。

電池のエネルギー密度は、機体サイズやモータなどといった設計最適化の重要なパラメータの一つであり、その最適化や分析は航空エンジニアであるアレックス・ストール氏が独自開発した解析ツールによって行われる。


「今あるリチウムイオン電池ではこのような航空機はできないと言う人もいる。彼らは[wh/kg]を大きく改善する必要がある言う。けれど、飛行機のデザイン次第では実現できると信じていた。(S4は)基本的には垂直離着陸が可能な電池を搭載したグライダーだ」とワグナー氏は言う。

エネルギー密度の他にも、電池の充電時間の課題がある。「人を輸送して初めて利益がでるのだから、次の飛行までに充電を完了しなければならない。電池開発のうち、かなりの時間を急速充電の開発に費やしている。航続距離40キロメートル(25マイル)分の充電を6分で完了できるシステムを設計している」。


S4は、市内、郊外地域、都市間など比較的短い距離を効率的に飛行できるよう設計されている。「長距離飛行では充電完了時間も長くなるが、40キロメートル(25マイル)の飛行は電池充電の観点から最も難しいと言える。乗客を飛行機から降ろし、次の乗客と荷物を乗せる時間で充電を完了させたいと考えている」とワグナー氏は言う。

電池はパワートレインと同じように何重もの安全対策がある。「まず、すでに自動車向けに大量生産されている高品質かつ洗練された安全思想を取り入れた。その上に高度なソフトウェアと制御技術でセル単位の監視と制御を行うことで電池の状態や使用を管理できる」とワグナー氏は言う。

これに加えて、水冷式電池パック内のセルを密閉する。「サブシステムに障害が発生しても、封じ込めて漏れないようにしている。複数の故障が発生した場合など最悪の状況を想定して物理的なテストを実施している。そんな最悪の状況に陥っても安全な飛行と着陸ができるレベルを維持している」とワグナーは語る。

飛行中にもっとも電力を消費するのは垂直飛行の短い時間だが、S4の飛行時間の大部分は主翼の揚力を活用した水平飛行が占めるため、揚抗比が高く電力消費も非常に低くて済む」とワグナー氏は説明する。電池パックの故障や劣化が生じた場合でも水平飛行を続けられる能力はジョビーの飛行機が安全であるという証明の重要な要素であり、垂直離着陸機S4がFAA パート23耐空性基準 改正第64条の下で通常の航空機として証明を取得するための推進力となっている。

eVTOLである S4は一般的な航空機のための耐空性基準パート23と軽量ヘリコプターのための耐空性基準パート27の間のどこかに位置する飛行機だ。さらに複雑なのがパート23もしくはパート27のいずれかで耐空性基準を証明する航空機は、エンジンとプロペラのそれぞれでパート33とパート35の証明要件も充足しなければならない。

ジョビーは2018年にS4の型式証明書申請を提出したが、「eVTOL耐空性証明への道を切り開いたと考えている」と型式証明システムエンジニア責任者のギャレット・ホーマン氏は言う。「FAAとの間で型式証明に関する下地はできた。規制の約85%は一般の飛行機と同じで通常通りの比較的簡単なものだ。残りの15%は、フライ・バイ・ワイヤ、電池、電動推進技術、垂直離着陸能力など、新技術に対応した内容となっている」と言う。


一般航空工業会(GAMA)のCEOピート・バンス氏は、ジョビーが取得を目指している改正パート23は、規制改正に動いたおよそ15年前に遡ると言う。2017年に施行された改正第64条は、新しい飛行機技術に柔軟に適応できるよう導入され、他の開発会社の先進エアモビリティ設計の証明でも改正第64条が適用されつつある。

「ジョビーのような会社がまだ存在していなかった10年以上も前から、誰もが革新的な電動航空機に対応した規制が必要だと考えていた。現在開発されている飛行機は従来のローター機とはまったく異なるが、パート23はこれらのデザインに適用するために改正されたようなものだ」とバンス氏は語る。パート23の改定はS4のパイロット採用にも大きな意味を持つ。少なくとも当初は、パート23の型式証明が可能となれば固定翼のパイロットを採用することができるからだ。


S4の型式証明の基礎となる詳細は、FAAの型式証明に関連する技術的問題を明文化するためのG1適合性見解書にまとめられる。「G1はどのようなプロジェクトでも最初に必要な書類で、適用されるすべての要件を定める。G1には除外項目や安全性項目など特別な条件も記載される」とGAMAのエンジニアリング・整備担当副社長のウォルター・デストロシエ氏は言う。


ジョビーが画期的なアプローチを試みる中でも今後のeVTOL開発で一般的になりそうなものとして、[訳注:今までエンジンとプロペラは、機体と別々に型式証明を取得する必要があったものを]エンジンに代わる電動推進ユニットとプロペラも一体型として一つの型式証明で済ませようとしていることだ。つまり、航空機、エンジン、プロペラが一つの型式証明書で完了することを意味する。従来の証明では、エンジンメーカーがエンジンの型式証明を取得し機体メーカーがそれを組み込む形式が普通だが「これを一つの型式証明で満たす予定だ」とホーマン氏は言い切る。

「電動推進ユニットについてはパート33やパート35では完全に対応できないため、FAAのエンジン・プロペラ部門では5年前から電動推進ユニットの特別設計要件を作成してきた。ジョビーは、エンジンとプロペラを別にした型式証明書を取得せず、機体、プロペラ、モータ全体で型式証明書を取得することになる」とホーマン氏は言う。


ジョビーは現在、型式証明の各要件への適合性証明方針などの証明計画を策定している。ある部分はエンジニアリングと分析だけで済むが、その他は試験が必要となる。「我々は特定の耐空性基準の他に耐空性設計の基盤となる適合性証明方針の絞り込みに注力している。並行して性能適合性を証明するための適合性証明の方法について中身を[FAA]と詰めている。その他にも改正第 64条を満たすために従来手法とは異なるステップを踏む必要がある」とホーマン氏は言う。


ジョビーによると適合性証明方針の定義づけのうち70~80%が完了しており、FAAの各部門と一緒に型式証明の具体的詳細について整理している。「まず全体で方針を決めてから個別に具体的な詳細を決定していく。2023年末までに型式証明の取得を目指している。現在、証明のための試験がすぐに開始できるよう詳細計画を確定し試験計画を[FAAに]提出できるよう急ピッチで作業を進めている」とホーマン氏は説明する。


 現在は、特に高電圧の電子部品や蓄電池、フライトエンベロープ保護制御、垂直離着陸性能に関連する特殊要件に取り組んでいる。「安全性要件として熱性能も重要である」とホーマン氏は語る。

「FAAにとって電動推進の航空機は新しい分野で、私が知る限り分散型推進ユニットや、冗長性と安全性が何重にも設計に組み込まれた設計は前例がない。よって、高電圧の電動推進ユニットとモータの設計、モータ制御装置の設計に注目が集まっている。」

FAAは旅客機で使用されるフライ・バイ・ワイヤ機のフライトエンベロープ保護[訳注:航空機の飛行可能な速度、加重、高度をあらかじめ設定しその許容値内に機動を制限する保護対策]には精通しているが、操縦翼面と6つのチルトプロペラを飛行制御コンピュータで統合制御するというジョビー独自の設計は、パート23の航空機としては斬新である。「我々のエンベロープ保護の設計思想は従来の旅客機とは全く異なり、飛行制御システムの強みを上手く活用していく」とホーマン氏は補足する。


シアラ氏は、電池の完成度と型式証明に並び、飛行制御装置はS4の「極めて重要な機能」と表現する。「飛行制御装置はいくつかの重要要素の一つで、よいタイミングで仕上がった。簡単かつ安全に運用できるよう新技術が搭載されたS4には、パート23航空機としては初めて統一飛行制御思想が適用されている(もともとはロッキード・マーチンF-85Bの垂直着陸のために開発されたもの)。


飛行制御装置は2つの操縦桿で加速度制御を行う。左側の操縦桿は前後の加速度を制御し右側の操縦桿は垂直軸(上下)、バンク角、ロールレートを制御する。ホバリング時には、並進レートコマンド(TRC)を自動的に作動しパイロットが簡単に微修正を行うことができ、制御を解除すると機体が停止するよう設計されている。


ホバリングモードでは、3重ものフライ・バイ・ワイヤシステムが「横方向や後ろに進む速度を制限して飛行機を保護する」とF-35制御装置の開発に携わった元米海軍テストパイロットのバディ・デナム氏は言う。より高速飛行ではフライトエンベロープ保護があり、設計速度を超える高速飛行ができないように設計されている。S4には加速コマンドとGリミッターを搭載しているほか、減速時には迎え角(AOA)も制限している。「飛行試験の一環として、制御権限と保護範囲を見極めて何重にも保護機能を設けている。迎え角(AOA)、横滑り、通常加速度の検知にも冗長性を持たせておりこれらの情報を元に保護範囲を確保している」と言う。

飛行試験と型式証明取得計画は順調に進んでおり、ジョビーは新たなeVTOL市場での成功に向けて準備を整えている。「電動飛行機は古くから考えられていたものの実現はしなかった。今やっと実現に向けて材料が揃った」とシアラ氏は言う。

アビエーション・ウィーク 2020年9月28日~10月11日

 
 
 

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